心不全の「和温療法」重症者が劇的に改善するケースもある
村松教授は心不全の標準的な薬物療法を行った上で、和温療法を実施。心不全の状態を示すホルモン、BNP値が劇的に良くなり、退院後も週2回継続。現在まで10年以上続けており、この間、入院はほとんどない。
心不全は再発ごとに坂道を転げ落ちるように悪化していく。
「1年間で4回入退院を繰り返していた方で、その後入院がほぼなくなるのは、和温療法の効果を顕著に表しています」
もうひとりは、別の病院から転院してきた当時60代の重症拡張型心筋症の患者。
致死性の不整脈を繰り返しており、点滴で強心薬を投与。通常は7~10日ほどで終了できるが、6カ月間やめられず、やっとやめて退院できたと思ったら、すぐに再発し入院となった。
「この患者さんは和温療法を始めると、強心薬を2週間で離脱できました。前回の6カ月と比較すると大幅に期間が短くなったのです。BNP値は2カ月間で4000から400に。400でも高いものの、元の数値の10分の1に下がり、退院後も週2回の和温療法を継続しました」