もう歌えないかもと涙…エドアルドさん多発性硬化症と闘う
入院した時には悲しみだけだった気持ちが、きっと病気を治して必ずみなさんにより良い歌を届けようという気持ちに変わって、治療のモチベーションになりました。今は病気も、私という人間がもっと良くなるために与えられた試練だったと受け止めています。
退院当初は、右手はまだ思うように動かず、お箸も使えませんでしたが、自宅でリハビリを頑張って、徐々にお箸が使えるようになりました。字を書くのは時間がかかりましたが、やっと、つい2~3週間前に書けるようになりました!
炎症の場所が違っていたら、声に影響が出たかもしれません。歩行や排泄ができなかったかもしれません。そう思うと、「自分はこれくらいで済んだんだ」と救われた気持ちになりました。先生いわく「早期だったからよかった」とのこと。コップで水を飲む、たったそれだけのことがどれだけ幸せか、私は学びました。
(聞き手=松永詠美子)
▽エドアルド 1983年、ブラジル生まれ。実母と離れ、日系ブラジル人の家に育ったことから演歌に触れる。2010年に演歌歌手になるべく来日。アルバイトをしながらプロ歌手を目指していた14年、カラオケ大会でチャンピオンになりプロの目に留まる。本格的なレッスンを受け、15年に「母きずな」でデビュー。翌年、第49回日本有線大賞新人賞を受賞した。最新シングル「しぐれ雪」が発売中。