著者のコラム一覧
坂本昌也国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

正常値で心臓病がない人も薬で血圧を下げると健康メリットあり

公開日: 更新日:

 着目すべき点は、「年齢にかかわらず120㎜Hg未満まで下げた方がリスクが低い」という点です。つまり、高齢者でも低い方がいいという結果だったのです。

 それによって、米国は18年、高血圧の基準値を130/80㎜Hg未満まで引き下げました。SPRINT研究では「120㎜Hg未満まで下げた方がよい」という結果だったのですが、それより高い「130㎜Hg未満」としたのは、SPRINT研究は、白衣の医師や看護師らを見て緊張から血圧が上がる「白衣高血圧」が起こらない状況での試験だったから。実際の診察の現場では白衣高血圧が起こる可能性を考慮して、130㎜Hg未満となりました。

心筋梗塞、狭心症の初発・再発を防ぐ

 一方、日本でも19年に高血圧の治療ガイドラインが改定されました。米国と違い、基準値を一気に下げると混乱を招くとの理由から、高血圧の基準値はそのままで、目標値が引き下げられました。

 75歳未満は診察室血圧で130/80㎜Hg未満を、75歳以上で140/90㎜Hg未満を目指すとしたのです。この目標値は目安であり、個々の状態から医師が判断し、最終的に決定する形になります。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」