アトピー性皮膚炎は症状を繰り返すのが当たり前な病気ではない
アトピー性皮膚炎は、皮膚の素質アレルギー体質に、環境因子が加わって症状が出る。
「引き金はさまざまで、またさまざまな要因が絡み合って悪循環を起こしており、単一の原因だけで起きる病気ではありません。原因を探しそれを除去しさえすれば良くなる病気ではないのです。アトピー性皮膚炎の症状が頻回に再発を繰り返し、悪化しているのは、持続する炎症のために複数の悪循環が起きているため。まずは徹底して炎症を止めなければなりません」
その第一選択が、ステロイド外用薬だ。
塗る量が少ないと効果がない。人さし指の先端から第1関節までの量が手のひら約2枚分の皮膚の面積に塗る量だ。症状がある部分すべてに塗る。
「毎日、規定の回数、十分量のステロイド外用薬を塗れば、かゆみは消えていきます。しかし、皮膚の症状が消えても、皮膚の下では炎症がまだ消えていません」
■皮膚の炎症が消えてからが大切
炎症の程度は、TARC(ターク)というアトピー性皮膚炎に関係する物質を測定すれば分かる。