「子供に行き過ぎた除菌は必要ない」免疫学の専門家が指摘
日本が世界有数の“腸内細菌大国”になるかもしれない。
健康な男女1200人の腸内細菌を集めて生活習慣との関連を調べている「医薬基盤・健康・栄養研究所」が、データ収集の対象を世界最大規模の5000人に拡大。生活習慣や環境によって腸内細菌の種類や数がどれくらい変わるのか、その違いが健康状態とどう関連するのかを調査し、データベースを5年以内に公開して、薬の開発や病気の予防に活用してもらいたいとしている。
それくらい腸内細菌はさまざまな病気やアレルギーに関わっている。東京医科歯科大名誉教授の藤田紘一郎氏は言う。
「腸内細菌は人間の腸内に100兆個も存在していて、病原菌の排除や免疫力を高めて病気を防ぐ役割も担っています。糖尿病、動脈硬化、がん、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患をはじめ、うつ病にも大きく関係しているのです。生息している腸内細菌の種類と数が多ければ多いほど、サポート効果がアップして免疫機構が鍛えられ、病気やアレルギーが発症しづらくなります。病気の予防や健康維持のためには、腸内細菌の種類と数を増やすことが重要なのです」