コロナ禍では検診の“先の検査”も大幅に減っている心配がある
そして、再びKさんを呼んで、まずは肺の問題を解決しなければならないこと、これから呼吸器内科専門のM医師が診てくれること、糖尿病については後日に栄養科での食事指導を受けることなどを説明しました。Kさんからは「がんでしょうか?」と聞かれました。私は「その疑いがあります。そのための詳しい検査をすることになると思います」と答えました。
M医師が診察した後のKさんのカルテを見ると、気管支鏡検査のため呼吸器内科に入院する予定となっていました。
結局、気管支鏡の組織検査では肺がんの診断で、後日、胸腔鏡手術となりました。幸いがんの大きさは1.2センチ、リンパ節などに転移はなく、ステージ1aで、手術後の抗がん剤治療は必要ないとのことでした。
今回のKさんの場合は、検査が1年遅れで、本当に幸運にもがんが早期だったのですが、進行していたら取り返しがつかないことになったかもしれません。そうなると治療も大変ですし、費用もかかります。
この1年半、新型コロナウイルス感染症の流行で、不要・不急の外出を避けるように言われ、検診を受ける方が大幅に減っています。さらに、せっかく検診でチェックされても、その先の検査を受けない方がもっとたくさんいるのではないかと心配になりました。