著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

シラミは入浴でも防げない…殺虫成分シャンプーやパウダーで駆除

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 全国の農薬メーカーなどで組織されている農薬工業会のホームページには、「DDTの歌」の歌詞が掲載されています。1947年に作られ、全国の小学校で振付けつきで教えられたそうです。

チン チン チフス 発疹チフス
みんな嫌いだ 大嫌い
お閻魔(えんま)さまより なお嫌い
そこで撒(ま)きましょ DDT DDT
ノンノン ノミも シンシン シラミ
みんないないよ もういない
おもてで元気に あそべます
お礼をいいましょ DDT DDT

 私はこの歌を聞いたことがありません。YouTubeなどで調べましたが、該当するものは見つかりませんでした。しかし終戦直後の日本の状況や国民生活の一端が、しっかりと反映されているのだと思います。

 「発疹チフス」は、リケッチアと呼ばれる、通常の細菌より小さくウイルスより大きい病原体によって引き起こされる感染症です。体中に赤い発疹ができ、高熱や頭痛にうなされ、重症化すると脳が冒されて精神が錯乱し、致死率は10~20%といわれてる病気です。終戦直後の日本では、これによって最大200万人が死亡すると予想されていました。まさにお閻魔さまより怖い病気だったのです。

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