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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

DJ KOOの陰性投稿が話題 「線虫」「犬」「血液」がん検査の強みと弱み

公開日: 更新日:

 一般にがんのセカンドオピニオンは、患者さんの指名を受けた医師が、がんの診断書のほか画像データ、血液検査結果などを総合して、診断や治療法などについて判断し、アドバイスをします。診断結果も検査データもなければ、判断のしようがありません。改めて全身のがんの可能性を想定し、検査で見つけるしかないことを説明するのみです。犬の場合も同様です。

 一方、乳がん手術をされる予定で相談に来られた方は、直前の線虫検査で「今回の検査ではがんリスクは検出されませんでしたが、今後も定期検診を継続しましょう」にレ点がありました。つまり、陰性で見落としです。

 感度とは、陽性の人を正しく陽性と判定する割合で、特異度は陰性の人を正しく陰性とする割合です。線虫の場合、感度は86%で、特異度は90%といいますから、数値は悪くありません。しかし、上述したような状況で不安があります。

 手軽な検査という点では、血液1滴で13種類のがんの早期発見につなげるマイクロRNAが有望でしょう。感度と特異度は、乳がん97%・92%、卵巣がん99%・100%、すい臓がん98%・94%、大腸がん99%・89%、膀胱がん97%・99%、前立腺がん96%・93%といった具合でとても高い。一部の医療機関では、自費で受診できます。

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