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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

DJ KOOの陰性投稿が話題 「線虫」「犬」「血液」がん検査の強みと弱み

公開日: 更新日:

 動物の嗅覚を利用してがんを早期発見する取り組みが広がっています。そのひとつは犬で、もうひとつは線虫です。どちらも尿のニオイを嗅ぎ分けて、15種類のがんの早期発見に結びつけようというもので、一般向けに提供されています。ご存じの方もいるでしょう。

 そんな中、SNSの投稿が話題です。

「家族3人ともがんのリスクは検出されませんでした!!」

 線虫での検査結果の用紙とともに喜びを語ったのはタレントのDJ KOOさん。今年還暦ですから検査を受ける気持ちをもつのはとてもいいことで、「健康第一、早期発見」と結んでいるのはもっともです。

 しかし、見逃せないのが、「自宅にいながら健康診断よりラクに精密がん検査」という一文。実はこの線虫の検査を巡っては、私も数多くの相談を受けているのです。

 この検査で陽性になると、報告書には「専門医による検査、診断を受けることをお勧めします」という項目にレ点がつきます。検査を受けた人は心配して、相談に来られるわけですが、どのがんのリスクが高いか示されていません。

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