血圧は「ちょっとだけ高い」でも腎臓病のリスクが高くなる
■「フォシーガ」が欧州で承認される
ところでつい先日、2型糖尿病の治療薬であるSGLT2阻害薬のひとつ、フォシーガ(一般名ダパグリフロジン)が、SGLT2阻害薬としては初めて、2型糖尿病の有無にかかわらず、慢性腎臓病の治療薬として欧州で承認されました。
SGLT2阻害薬は、腎臓にある膜タンパク質SGLT2の働きを抑制するもの。
食事から摂取した糖質を尿の中に排泄するのを促し、体外に排出する効果があります。体重減少効果が大きいのが特徴で、単剤服用の場合は低血糖も起こしにくい薬です。
フォシーガを製造販売する製薬会社のアストラゼネカによると、慢性腎臓病ステージの2~4(5段階で評価。数字が大きくなるほど症状が重い)、かつ腎機能の指標であるアルブミン尿の増加が確認された4304例を対象に、フォシーガ投与による有効性と安全性をプラセボ(偽薬)と比較検討した国際多施設共同無作為化二重盲検比較試験では、腎機能の悪化、末期腎不全への進行、心血管または腎不全による死亡などのリスクを、プラセボと比較して低下させたとのこと。