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シェリー めぐみジャーナリスト、ミレニアル・Z世代評論家

NY在住33年。のべ2,000人以上のアメリカの若者を取材。 彼らとの対話から得たフレッシュな情報と、長年のアメリカ生活で培った深いインサイトをもとに、変貌する米国社会を伝える。 専門分野はダイバーシティ&人種問題、米国政治、若者文化。 ラジオのレギュラー番組やテレビ出演、紙・ネット媒体への寄稿多数。 アメリカのダイバーシティ事情の講演を通じ、日本における課題についても発信している。 オフィシャルサイト:https://genz-nyc.com

コロナ禍でアメリカのドラッグ過剰摂取死が激増 CDCが報告

公開日: 更新日:

 CDC(アメリカ疾病対策センター)によれば、コロナが猛威を振るった2020年5月からの1年間にドラッグ過剰摂取で死亡した人は10万人で、前年を3割近く上回ったことが明らかになり衝撃を与えています。同じ時期にコロナで亡くなったアメリカ人は50万人。こちらも驚きの数ですが、それに輪をかける悲劇となりました。

 中でも最も多かったのは、モルヒネの50倍から100倍の強さを持つフェンタニルと呼ばれるオピオイド系の合成麻薬による過剰摂取死で、6万4000人もの人が亡くなっています。

 ではなぜコロナ禍でこれほど増加したのか? まず依存症の人が自宅隔離で孤立して使用量が増えたり、使用をやめていた人が医療やカウンセリングなどのサポートを受けられなくなって再び依存症になってしまったなどのケース。これは専門家でなくても容易に想像できます。

 しかし違法フェンタニルが恐ろしいのは、中国から輸入されアメリカやメキシコのドラッグカルテルを通じ、通常の処方鎮痛薬と見まがう姿でネットやソーシャルメディアを通じて売られていることです。例えば手術後などの強い痛みに処方されるオキシコンチンは依存性が強いことで知られていますが、それと見かけがまったく同じ錠剤にフェンタニルが含まれ、知らずに購入し摂取した人が急死するケースが後を絶ちません。また、親が所有する錠剤を間違って口に入れた乳幼児が亡くなるという事例もあるほど、アメリカの日常に深く入り込んでいます。

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