デルタ株の流行に匹敵するオミクロン感染者急増の可能性は?
世界保健機関(WHO)は14日、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン」が、世界のほとんどの地域に存在している可能性を指摘。すでに77カ国で確認されていて、日本国内では33人(16日現在)の感染が分かっている。
【Q】デルタ株の流行に匹敵する感染者急増の可能性はありますか?
【A】「可能性はあります。国民全体の7割が2度ワクチンを接種していますので第5波の時のように急激に増えて混乱することはないと思いますが、オミクロン株は変化するスピードが速く、実効再生産数3~4と推定しているグループもあります。イギリスはコロナ感染者数が20万人と報じられていますが、すでに4割近くがオミクロン株に変わっています。今までの変異株よりも症状は軽いが早く伝染することはあるでしょう。引き続き、マスク、消毒、3密回避の徹底が必要です」
【Q】オミクロン株の流行を危惧し、日本でも3回目となるワクチン接種の前倒しが調整されているが、前倒しによる体内への影響はないのか?
【A】「現在の抗体価が600以上であればやや良いと思うが、その数値を下回っているのであれば3回目の接種を前倒ししても問題ないでしょう。ちなみに私は2回打った時、抗体価は5000でしたが、現在測ってみると1500に下がっています。思ったよりも抗体価の下がりは大きかった。一般的には半年経てば2回接種した後でも、抗体価が3分の1から4分の1になっているのがほとんどで、それが原因で高齢者が生活する老人施設などでクラスターが発生しています。接種後5~8カ月が経過すれば、3回目による体内への影響はなく打てるでしょう」
【Q】国立感染症研究所ではオミクロン株の検査に3日ほどかかっているという。その間、濃厚接触者たちが全国に散らばっているが、解析に時間がかかるのはなぜか?
【A】「たとえばインド医学研究評議会(ICMR)は、オミクロン株を2時間以内に検出できるPCR検査キットを開発しています。ウイルスの細胞への侵入のきっかけとなるスパイクタンパクの部分だけ検査できる仕組みにすれば、キットの作製も複雑ではありません。日本でも技術のある明治製菓ファルマやタカラバイオなどと連携し、常に変異株の出現に備えられる検査キットを準備すべきです」
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