腎臓がんで手術のBOROさん「小さなことに幸せを見出せるようになった」
手術はダヴィンチというロボットを使った傷口の小さい手術でした。技術的には全摘よりも難しい部分摘出だったので、6時間ぐらいかかったようです。
ひとつ失敗したのは集中治療室から病室に帰るときの手段を「歩いて帰る」と言ってしまったことです。手術前に「ベッドのまま」か「車イス」か「歩く」かを聞かれるんですよね。医者から「歩いたほうが治りが早いので、最近はみなさん歩いて帰ります」とか聞かされていたので「歩いて帰ります」と答えてしまったんです(笑い)。
全身麻酔だったので頭がフラフラしてなかなか立てなくて、30分置きぐらいに「立ちましょう」と言われてはダメで横になるのを繰り返しました。
ベッドのままを選択していたらものの1~2分で移動できたのに、立ち上がるまでに4時間もかかってしまいました。
面白かったのは、管だらけのままついに立ち上がったとき、私が周りの看護師さんたちに「これでやっと病人らしくなりました」と言ったら、年配の看護師さんから「病気は昨日で治ったの。今日からはケガ人です」と返ってきて、その場にドッと笑いが起こったこと。その雰囲気に背中を押されてなんとか病室まで歩けました。