腎臓がんで手術のBOROさん「小さなことに幸せを見出せるようになった」
今回の入院の経験があったからこそ、小さなことに幸せを見いだせる自分に気づいたのです。
虹の一件から何を見ても素晴らしく思え、青空にぽっかり浮かぶ雲がパンダになったりゾウになったりするのも楽しい。ふと「ここには道化師がいるみたいだ」と空想していると、仲の良かった今は亡きミュージシャンたちが思い出されて、彼らも音楽でみんなを楽しませる道化師だったし、自分もそうだし、ここで笑わせてくれた看護師さんたちもそう。自分の周りには道化師がたくさんいて楽しませてくれていることを実感しました。
それが「道化師たちの住み家」という曲になって最新アルバムに収録されています。
■退院後に白内障の手術も
思えば35~36歳のときにC型肝炎がわかり、物心ついた頃から悩まされていた体のだるさが「これだったのか」と腑に落ちてから、病気やケガが続きました。歯の治療をしたことがもとで、2005年には上顎洞に膿がたまる上顎洞炎を患いました。膿が骨を溶かしてしまうので、5年計画の手術で少しずつ上顎の骨を人工的に作っていきました。口の中から上唇の付け根にメスを入れ、上顎の皮をめくるものですから毎回ものすごく顔が腫れました。腫れが引いている間にライブをして、また手術して腫れて……という5年間を過ごしたのです。