腎臓がんで手術のBOROさん「小さなことに幸せを見出せるようになった」
それがやっと終わったら、次はシンバルに頭を強打して、1カ月後にろれつが回らなくなりました。病院に行ったら硬膜下血腫と言われて即手術でした。退院して2日後に、担当していた映画音楽の歌入れで思いっきり歌ったら再発してしまい、また救急手術。そんな調子だったので、念入りに検査をしていたことが腎臓がんの早期発見につながったわけです。
がんは1週間で退院しましたが、その後も免疫力が低下して水疱瘡になったり、鼠径ヘルニアになったり……。7月には白内障の手術もしました。どうせコロナ禍でライブができないから、この際、悪いところは全部治しちゃおうってことで手術したら、まあ少年の目のようにクリアな視界になりました。でも同時に鏡を見て、シワと白髪の自分が見えて、「老人なんだ」と初めて気が付きました(笑い)。
ギターの練習のし過ぎで五十肩にもなりましたが、立ち稽古は常にしているので、お呼びがかかればいつでも歌える状態です!
(聞き手=松永詠美子)
▽BORO(ぼろ) 1954年、兵庫県生まれ。79年にデビューし、セカンドシングル「大阪で生まれた女」が大ヒット。音楽プロデューサーとして多くのアーティストに楽曲を提供した。90年以降は大阪を中心に音楽活動を展開し、94年にレコード会社「BBB Records」設立。闘病を経て、全曲弾き語りのアルバム「OVERCOME」が絶賛発売中。