AIを活用した最新CTは何がすごいのか 低線量と高画質を両立
病気の画像診断に用いられるCTは、人体を透過したX線のデータを円周状に収集し、画像再構成処理によって断面画像を取得している。照射するX線量が多ければ高画質が得られるが、患者の被ばく量が増える。
一方、X線量を低く抑えれば被ばく量は低減するが、ノイズが増加して画質が劣化するという相反関係がある。
この課題を解決すべく、各メーカーは低線量でありながら高画質を実現する「CT画像再構成法」の改良開発を続けている。国内のCTシェアの過半を握る「キヤノンメディカルシステムズ」(栃木県大田原市)は、2011年に「AIDR-3D」、15年に「FIRST」という画像再構成技術を開発してきた。
そして、18年には世界で初めてAI(人工知能)のディープラーニングを用いて設計した深層学習応用再構成法「AiCE」を搭載したCTを販売した。
簡単に言えば、CTデータをディープラーニングの技術を使ってノイズだけを選択的に除去した画像へと再構成してくれるのだ。同社・CT事業部の原田智和部長が言う。