革新的がん医療実用化研究事業 岡山大が治験を進める「穿刺ロボット」
医師がCT画像を見ながら、体表面から病変に針を刺して行う検査(生検)や治療のことを「CTガイド下IVR(画像下治療)」という。がんのラジオ波治療や凍結治療などの「アブレーション治療」が代表的な治療法として知られる。
針の穿刺(せんし)のみで行えるので、患者の体への負担が少なく、短時間で終わることから、がん医療として需要が高まっている。しかし、CT装置の近くで穿刺を行う医師は防護衣を着けていても、CT撮影の放射線による被曝(ひばく)が避けられないという欠点がある。
そこで岡山大学は医工・産学連携で、放射線の届かないCT装置から離れた位置から遠隔操作で針を穿刺できるロボット(Zerobot)を開発。2018年に人間の患者を対象とした臨床試験を実施。20年からは日本医療研究開発機構の「革新的がん医療実用化研究事業」として、薬事承認を目標とした医師主導治験を進めている。
どのような仕組みのロボットなのか。代表研究者である岡山大学学術研究院医歯薬学域・放射線医学の平木隆夫教授が言う。