全死因の中で新型コロナは何番目だったのか? 医療情報学の専門家が特別寄稿
ただし誤嚥性肺炎とアルツハイマー病は月次統計に数字が計上されていないので、2020年(1~12月)の1年間の数字で代用した。
上位を占めるのは、がん、心疾患、老衰など、毎年おなじみの死因ばかりである。実は上位10位までの顔ぶれは、過去30年以上にわたって、多少の入れ替わりはあるにせよほとんど変わっていない。
注目のCovid-19は、ようやく14位に顔を出す。アルツハイマー病には及ばず、大動脈瘤や肝疾患より少なく、ようやく慢性閉塞性肺疾患(COPD)に並ぼうか、といった位置である。下には少し離れて糖尿病があり、パーキンソン病、敗血症などが続いている。
こうして表にすると、大騒ぎした割には死者がかなり少なかったことが改めて実感できる。
もちろん、だからといってCovid-19を軽視してよいと言うつもりはないし、現場で奮闘している医療従事者の方々には感謝の念しかない。
ちなみにインフルエンザだが、2019年の死者は3575人だった。死因順位のつけ方にもよるが、25~30位のグループに入る。「Covid-19はインフルエンザと同じようなもの」と言うにはかなり無理がある。