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永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

「全がんリスク」が高い血液型は? メタアナリシス解析で判明

公開日: 更新日:

 ただ、A型が全がんリスクが高いというのは、世界的にコンセンサスが得られています。なぜ、A型なのでしょうか。有力な仮説のひとつを紹介しましょう。

 前回も述べたように、細胞ががん化すると、組織血液型抗原が減少します。しかし、A抗原または類似物質を作り出すがん細胞があることが分かってきたのです。たとえばB型やO型の人ががんにかかると、そのがん細胞の表面では、本来あるはずのB抗原やH抗原(O抗原)が減りますが、代わりにA抗原が出てくるがん細胞がいるわけです。

 ところがB型やO型の血液には、A抗原を攻撃する抗体が存在します。そのためA抗原を持っているがん細胞は、この抗体の攻撃にさらされます。一方、A型の人のがん細胞では、A抗原が減るか、そのままか、どちらかです。A型の血液中にはA抗原を攻撃する抗体は存在しませんから、がん細胞が攻撃にさらされることもありません。この違いが、がんのなりやすさに影響しているのではないか、というのです。

 ただし、まだ実証には至っていません。

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