著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

天皇陛下の検査報道で注目 前立腺がん「PSA」と「MRI」の位置づけ

公開日: 更新日:

 前立腺がんを診断するには、針生検が必要。超音波で画像を見ながら、前立腺に針を刺して検体を採取。それを病理学的に調べて、がんかどうか確定するのです。

 そのためには、前立腺のどこが疑わしいか調べることが重要。最近注目されているのがMRIです。これにより、前立腺にがんがあるかどうかはもちろん、その位置や大きさのほか、悪性度もある程度予測できるようになりました。

 その画像をもとに前立腺がんの可能性を予測する「パイラッズ─スコア」を判定します。1点・がんの可能性が極めて低い、2点・可能性が低い、3点・どちらともいえない、4点・可能性が高い、5点・極めて高い、です。

 一般に3点以上で針生検を勧められることが多くありますが、1点や2点でもゼロリスクではなく、ほかの検査結果や年齢なども合わせて慎重な判断が大切でしょう。

 針生検では、決まった部位十数カ所から組織を採取するのが一般的。MRI検査を加えるようになり、怪しい部分を取り損じることなく、異常な部位を標的として採取できるのが大きなメリットでしょう。そして、採取した組織分析から正確な悪性度を評価することになります。

 前立腺がんと診断されると、治療は早期なら手術か放射線です。東大病院でも、2020年に初めて放射線の治療件数が手術を上回りました。照射は通院で5回のみ。服も着替えずに済み、治療室への入室から退室までわずか7分です。放射線なら、手術の後遺症である尿漏れやEDの心配もありません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松本人志は「女性トラブル」で中居正広の相談に乗るも…電撃引退にショック隠しきれず復帰に悪影響

  2. 2

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  3. 3

    べた褒めしたベッツが知らない、佐々木朗希"裏の顔”…自己中ぶりにロッテの先輩右腕がブチ切れの過去!

  4. 4

    フジテレビ労組80人から500人に爆増で労働環境改善なるか? 井上清華アナは23年10月に体調不良で7日連続欠席の激務

  5. 5

    ついに不動産バブル終焉か…「住宅ローン」金利上昇で中古マンションの価格下落が始まる

  1. 6

    露木茂アナウンス部長は言い放った「ブスは採りません」…美人ばかり集めたフジテレビの盛者必衰

  2. 7

    中居正広「華麗なる女性遍歴」とその裏にあるTV局との蜜月…ネットには「ジャニーさんの亡霊」の声も

  3. 8

    和田アキ子戦々恐々…カンニング竹山が「ご意見番」下剋上

  4. 9

    紀香&愛之助に生島ヒロシが助言 夫婦円満の秘訣は下半身

  5. 10

    フジテレビにジャニーズの呪縛…フジ・メディアHD金光修社長の元妻は旧ジャニーズ取締役というズブズブの関係