「長崎夜話草」に登場するメガネを最初に作った日本人の正体とは
実際、弥兵衛という人はなかなかの有名人だったようです。明国との貿易の中継基地であった台湾の高雄に進出したオランダ東インド会社の行政長官が勝手に10%の関税を取り始めたため、憤慨した長崎奉行の後ろ盾に弥兵衛が行政長官を人質に取って関税を撤回させ、高雄を自由貿易港にしたという話があります。 では、弥兵衛からメガネの製法を教えてもらったとされる生島藤七とはどのような人物だったのでしょうか? 弥兵衛やオランダ人からガラスの作り方を教わり、メガネの他に灯籠なども作ったとされる、ガラス職人だと言われています。
もちろん、たまたま弥兵衛が有名人だったために、この話が書物に載っているだけで、実際は別の人物が日本で最初にメガネを作った人である可能性はゼロではありません。しかし、いまのところ、この人物が日本人で最初にメガネを作った人と言われているのです。
(メガネウオッチャー・榎本卓生)