繰り返す気管支炎、肺炎、中耳炎…「原発性免疫不全症」かもしれない
50歳でPIDという診断を受けた女性(囲み参照)は、自身も医師。自分の疾患が何かわからず、複数の病院で検査を受けたものの、長らく正しい解を得られなかった。
「参考にして欲しいのは、PIDの『10の徴候』です。世界中で翻訳されています。小児では1つ、成人では2つ、該当すれば、PIDの可能性が考えられます」
成人と小児で「10の徴候」は多少異なる。
成人では、「1年に2回以上中耳炎にかかる」「1年に2回以上、重症副鼻腔炎を繰り返す」「体重減少を伴う慢性下痢症が見られる」など。
小児では「気管支拡張症を発症する」「1年に2回以上肺炎を繰り返す」「抗菌薬を服用しても2カ月以上治癒しない」など。
詳しくは、武田薬品工業の「PIDチェックシート」を見るといい。
「『10の徴候』の中でも特に重視するのが家族歴です。患者さんによくよく話を聞くと、乳幼児期に感染症で死亡した人がいるという話が出てくることがあります」