スポーツ好きは注目 「ケトン体」接種でパフォーマンスが上がる
筋トレなどのパフォーマンスをアップしたければケトン体摂取──。その可能性を示唆する実験結果が2月、米国スポーツ医学会公式学術誌「Medicine&Science in Sports&Exercise」(オンライン版)に掲載された。研究を行ったのは、立命館大学スポーツ健康科学部の家光素行教授らだ。
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ケトン体は、脂肪の合成や分解により肝臓でつくられる物質のこと。糖質制限や糖尿病などで脳や筋肉のエネルギー源である糖質が不足すると、代わりにケトン体が用いられる。このケトン体が運動のパフォーマンスを上げることは先行研究で証明されていた。しかし運動には、長距離走のような<持久系>、サッカーや400メートル走のように短時間に最大運動を繰り返す<短時間最大運動系>、筋トレなどの<筋力系>がある。
「先行研究では、どの運動パフォーマンスに効果があるのかは示されていませんでした。そこで2つの研究を行いました」(家光教授=以下同)
ラットにケトン体とプラセボ(偽薬)をランダムに皮下投与し、血中濃度がピークになる10分後、<持久系(トレッドミル走)><短時間最大運動系(20秒間の全力運動と10秒間の休憩を繰り返す)><筋力系(尻尾におもりをつけて坂道を上る)>の各パフォーマンスを調べた。