著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

【呼吸器検査】3つの測定項目…喘息や気管支炎は「努力肺活量」が低く出る

公開日: 更新日:

 呼吸器検査は「スパイロメーター」と呼ばれる装置を使って行います。鼻をクリップで留め、プラスチックのマウスピースをくわえて、検査技師の「吸って!」「吐いて!」という掛け声にしたがって、息を吸ったり吐いたりを繰り返す、という検査です。

 測定項目は「肺活量」「努力肺活量」「1秒量」の3つです。肺活量は空気をいっぱいに吸ってから、すべて吐き出したときの量。男性3500㏄、女性2500㏄が一応の目安です。また身長と年齢から「予測肺活量」を計算し、実際の肺活量が予測肺活量の何%かを計算します。これを「%肺活量」といいます。

 努力肺活量は、空気を全力(最大限の努力)で吐き出したときの量。ただの肺活量とほとんど同じですが、喘息や気管支炎があると、努力肺活量のほうが少なくなる傾向があります。

 1秒量は、最初の1秒間で吐き出された量のことで、これと肺活量を組み合わせて「1秒率」を計算して使います。最初の1秒で、肺活量の何%を吐き出したか、という数字です。

 重要なのは%肺活量と1秒率の2つです。基準値(正常値)は次のようになっています。

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