いないはずの人が見える…「幻視」の背後に潜む「目の病気」

公開日: 更新日:

 こうした現象が数分から数時間持続し、治るまで何年も続く場合もある。

「この疾患は若い人から高齢者までかかる恐れがありますが、目立つのは若い人。EBウイルスに感染した時の脳の炎症が原因ともいわれます。小児期のものの多くは一過性で過剰な心配は必要ありません」

 成人の場合は片頭痛との合併が多く、うつ病や統合失調症でも同様の症状が見られることがあるという。高齢者で目立つのはやはり認知症による幻視だ。

「認知症による幻視はレビー小体型認知症が最も多いのですが、パーキンソン病やアルツハイマー型認知症、血管性認知症でも報告されています」

 周囲の人には見えない人やモノが明瞭に見える目の病気が「シャルル・ボネ症候群」だ。1760年にスイスの科学者シャルル・ボネが最初に報告した。

「87歳の祖父が、両側白内障による視覚障害を患い、その時に経験した幻視を記録したものです。記録には、『健康に恵まれ、飾り気がなく、記憶も判断も保たれ、まったくの覚醒状態で、時折、目の前に外界とは無関係に、男や女、鳥、場所、建物などの姿が見え、多彩な動きをする』と記載されていたようです。その後の調査で緑内障や加齢黄斑変性症でも幻視が見られることがわかっています」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

  2. 2
    小池都知事が“アキバ降臨”も演説ドッチラケ…若者文化アピールに「うそつき!」とヤジ飛ぶ

    小池都知事が“アキバ降臨”も演説ドッチラケ…若者文化アピールに「うそつき!」とヤジ飛ぶ

  3. 3
    ソフトB山川穂高 数字では測れない「4番の価値」…打てない時期もチームの躍進に大貢献

    ソフトB山川穂高 数字では測れない「4番の価値」…打てない時期もチームの躍進に大貢献

  4. 4
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 5
    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

  1. 6
    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

  2. 7
    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

  3. 8
    巨人・桑田真澄二軍監督が「1人4役」大忙し…坂本勇人を感激させた“斬新アドバイス”の中身

    巨人・桑田真澄二軍監督が「1人4役」大忙し…坂本勇人を感激させた“斬新アドバイス”の中身

  4. 9
    中日ポスト立浪は「侍J井端監督vs井上二軍監督」の一騎打ち…周囲の評価は五分五分か

    中日ポスト立浪は「侍J井端監督vs井上二軍監督」の一騎打ち…周囲の評価は五分五分か

  5. 10
    大食いタレント高橋ちなりさん死去…元フードファイターが明かした壮絶な摂食障害告白ブログが話題

    大食いタレント高橋ちなりさん死去…元フードファイターが明かした壮絶な摂食障害告白ブログが話題