医師が考案「医学的に正しいウオーキング」を実践する3つのポイント
「アメリカがん国立研究所が40歳以上の男女50人を対象に1日の歩数と死亡率の関係を調べたところ、成人1000人あたりの年間死亡率は歩数が多ければ多いほど低下していました。ただ、1万歩を超えると、それ以上歩いていた人と死亡率に大差が見られなかったので、分かりやすい目安として今回、1万歩を勧めています」
また、厚労省の「日本人の食事摂取基準」によると、成人男性における1日の平均摂取カロリーは2200キロカロリー、平均消費カロリーは1900キロカロリーだ。運動しなければ余分な300キロカロリーは脂肪として蓄えられ、肥満だけでなく高血圧や糖尿病といった生活習慣病を引き起こすリスクになる。
「一般的に1000歩の歩行で約30キロカロリー消費するとされ、厚労省が主導する『健康日本21』では1日300キロカロリーを消費する運動が推奨されている点からも、やはり、1日1万歩が健康維持に有効だと考えられます」
②こまめに歩くのもOK
ただ、「1万歩」を一度に歩くとなると健康な人でも約90分かかり、忙しい現代人にとっては時間の確保が難しい。また、有酸素運動は20分以上継続しないと効果がないとされていることから、継続時間にハードルの高さを感じる人も少なくない。しかし近年、「こまめな運動」でも体力と心肺機能の向上、血糖値の低下に有効だと報告されている。