薬が飲み込みづらい…それは「錠剤嚥下障害」だ 専門家が警鐘

公開日: 更新日:

 錠剤嚥下障害の早期発見、早期対策が重要なのは、それが招く弊害が大きいからだ。

 当然ながら、薬をのみ込めなければ、病気への薬効を得られない。液体のみが咽頭内に流入し、錠剤が口腔内に残留するケースもある。

「ある高齢患者さんは、内服2時間後でも、錠剤が口腔内に残ったままでした。高齢者では口腔内が乾燥し、舌が動かしにくく、また口内に物が張り付きやすい。咽頭や食道に薬が残留すると、粘膜損傷や潰瘍が生じるリスクがあります」

■「砕いて飲む」は百害あって一利なし

 倉田氏らは、介護施設利用者の薬の服用方法に関する現状調査を実施。コロナ禍での困難な調査だったが、「内服薬を服用している利用者1993人」の情報を得ることができ、注目すべき結果が得られた。

 前述の通り、高齢者は嚥下機能の低下で錠剤嚥下障害を起こしやすいが、全体の2割が薬を粉砕して服用。服薬介助が必要で薬を粉砕して服用している人では、8割強が「粉砕した薬をとろみやゼリーで飲む・食事に混ぜて飲む」だった(※粉砕は本人がしているのではなく、施設や薬剤師)。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    「踊る大捜査線」12年ぶり新作映画に「Dr.コトー診療所」の悲劇再来の予感…《ジャニタレやめて》の声も

    「踊る大捜査線」12年ぶり新作映画に「Dr.コトー診療所」の悲劇再来の予感…《ジャニタレやめて》の声も

  2. 2
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 3
    一門親方衆が口を揃える大の里の“問題” 「まずは稽古」「そのためにも稽古」「まだまだ足りない稽古」

    一門親方衆が口を揃える大の里の“問題” 「まずは稽古」「そのためにも稽古」「まだまだ足りない稽古」

  4. 4
    阪神岡田監督の気になる進退 来季続投がスジだが…単純にそうはいかない複雑事情

    阪神岡田監督の気になる進退 来季続投がスジだが…単純にそうはいかない複雑事情

  5. 5
    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

  1. 6
    大谷への理不尽な「ボール球」ストライク判定は差別ゆえ…米国人の根底に“猛烈な敵愾心”

    大谷への理不尽な「ボール球」ストライク判定は差別ゆえ…米国人の根底に“猛烈な敵愾心”

  2. 7
    巨人・岡本和真「急失速の真犯人」…19打席ぶり安打もトンネル脱出の気配いまだ見えず

    巨人・岡本和真「急失速の真犯人」…19打席ぶり安打もトンネル脱出の気配いまだ見えず

  3. 8
    新関脇・大の里の「大関昇進の壁」を親方衆が懸念…看過できない“練習態度”の評判

    新関脇・大の里の「大関昇進の壁」を親方衆が懸念…看過できない“練習態度”の評判

  4. 9
    高橋一生「ブラック・ジャック」高視聴率も続編困難か…永尾柚乃“完璧ピノコ”再現に年齢の壁

    高橋一生「ブラック・ジャック」高視聴率も続編困難か…永尾柚乃“完璧ピノコ”再現に年齢の壁

  5. 10
    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し

    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し