最新研究「痩せ」は危ない(1)痩せ形女性に肥満者と同様の特徴
「結果、痩せ形では耐糖能異常が13.3%と標準体重より7倍多かった」
「痩せ」には、しっかり食べてしっかり運動している人もいる。しかし本研究では、痩せ形の若年女性では、エネルギー摂取量・身体活動量・筋肉量が少ない、つまり食べない・動かない「エネルギー低回転型」が多数を占めた。
次に、田村教授らは痩せ形の耐糖能異常の特徴を詳しく解析。するとこれまで肥満者の特徴とされてきた「インスリン抵抗性」が見られた。インスリンの感受性が低下し、効きにくくなる状態のことだ。痩せ形の場合、インスリンの分泌が低下して耐糖能異常になると考えられていたが、それだけではなく肥満中年と同様のインスリン抵抗性も起こっていたのだ。
もうひとつ、やはり肥満者の特徴である「脂肪組織の異常」も見られた。
「太ると脂肪細胞に脂肪がためられます。肥満者では脂肪細胞が容量オーバーとなり脂肪があふれ出て、肝臓や骨格筋に達し、毒性を発してインスリン抵抗性を引き起こす。それが痩せた若年女性でも認められました」
これは、全くの予想外の結果だったという。(つづく)