「良い親」ではなく「分かり合える親」を目指せば事態は好転する
最後に、こんな「傾聴・共感」で不登校やひきこもり、ひいては精神疾患が回復するのか? と未だに半信半疑な親御さんに言いたいのは、「たとえそれで不登校やひきこもり、精神疾患に何ひとつ改善が得られなかったとしても、何年も何十年もお子さんがひとりで悩み苦しんでいた心の内を親が理解してあげられるだけでも十分な価値はあるのではないか」ということです。
でも安心してください。それが本当にできたのならば、不登校やひきこもり、精神疾患は必ずや今よりはいい方向に向かうこと請け合いなのですから。(おわり)
▽最上悠(もがみ・ゆう) 精神科医、医学博士。うつ、不安、依存症などに多くの臨床経験を持つ。英国NHS家族療法の日本初の公認指導者資格取得者で、PTSDから高血圧にまで実証される「感情日記」提唱者として知られる。著書に「8050親の『傾聴』が子供を救う」(マキノ出版)「日記を書くと血圧が下がる 体と心が健康になる『感情日記』のつけ方」(CCCメディアハウス)などがある。