苦しむわが子を理解し、寄り添うにはどうすべきか?
これまで不登校やひきこもりに苦しむ子どもたちに共通する背景に、親との関わりにおける「感情不全」が大きいことを解説してきました。
不登校やひきこもりに至る子どもたちの多くは、その繊細さが故に、何げない親からの一言にも“PTSD級”に打ちひしがれたように感じる心の痛みを生じ、親の期待に応えられぬ自分に絶望的な自己嫌悪を持ち、親から見捨てられるかのような想像を超えた恐怖心に怯え苦しみます。そして、ありのままの自分と同値とも言うべき本能的な一次感情を表現することはおろか、押し殺し続け、自ら感じることさえわからなくなるほどに、苦しんだ挙げ句の感情不全に陥っていくのです。
そしてその感情不全を抱えたまま、ひきこもってから無為に20年、30年と時を経て中高年を迎え、今やひきこもりの半数以上が中高年という現状を迎えつつあります。そんな苦しみの中にいるわが子を理解し、寄り添うにはどうすれば良いのでしょうか?
何度も繰り返しているように、私はひきこもりや不登校の原因は、親だけが悪く、親だけの力で立て直せと言うつもりは毛頭ありません。親子で性格の違いが大きく、また繊細な子は隠すことに長けているので、感度で子にはるかに劣る親御さんにはもう察しようがない、というのは決して責められることではないと思うのです。問題は、そこに気づいたところで「これから何ができるか」ということです。