「緩和」には適切な調整が必要…痛みとの付き合い方は人それぞれ
こうして2週間後には、鎮痛効果が発揮されたようで眠られる時間が増えてきましたが、衰えは隠せずしだいに無呼吸を繰り返す状態に。
「苦しそうではないですね」(娘)
「皆さんに週末会うことはできましたか?」(私)
「はい、兄の家族に」(娘)
私は呼吸の浅いご様子を見て、近々お看取りの可能性が高いことをお伝えし、その日から連日伺うことにしました。そして9日目に長い無呼吸へと陥ったのです。
「心臓の音は聞こえないですね」(私)
「さっきまで反応がありましたよね?」(娘)
「目の反応もないですね」(私)
「でもさっきまでは反応はありましたよね」(娘)
「反応があるか5分ほど様子をみましょう」(私)
こうしてお母さまが旅立たれたことを、娘さんとご一緒に確認し、静かに穏やかに受け入れていただいたのでした。