日本人の6割が保有…しつこい口唇ヘルペスは新たな「PIT療法」で撃退できる
「抗ウイルス薬というのは、ウイルスを死滅させる薬ではなくて、増殖を抑える薬です。なので、ウイルスが増える前に、いかに早く薬を使うかが、症状を軽くするためには非常に重要になるわけです。ただ、これまでは皮疹が出てからでなければ薬を処方できませんでした。それが今は事前に処方できるようになったので、患者さんが『ああ、来るな』と思ったら、セルフケアが可能になったのです。ヘルペスは症状が出ていない場合、専門医でも判断が難しいんですよ。でも、ヘルペスは何度も発症を繰り返している患者さんが多いので、微妙な違和感のような初期症状に関して、ご自身で把握されている方が多いんです」
■ウイルスが増殖する前に飲むことが大切
現在、PITでは「アメナメビル(一般名)」と「ファムシクロビル(一般名)」の2種類の薬が処方可能だ。どちらも初期症状が出た時に服用し、ウイルスの増殖を抑える。
処方には、アメナメビルは初期症状が分かる人、ファムシクロビルはそれに加えて年に3回以上の再発を繰り返している人、という条件が付く。いずれも初期症状を感じてから6時間以内に服用し、アメナメビルは一度だけ服用、ファムシクロビルは初回服用後12時間後に2回目を服用と、飲み方に違いがある。また、1回の薬剤負担費はファムシクロビルが3割負担で数百円程度、アメナメビルは2200円程度となっている。