尾上泰彦
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尾上泰彦「プライベートケアクリニック東京」院長

性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」院長。日大医学部卒。医学博士。日本性感染症学会(功労会員)、(財)性の健康医学財団(代議員)、厚生労働省エイズ対策研究事業「性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究」共同研究者、川崎STI研究会代表世話人などを務め、日本の性感染症予防・治療を牽引している。著書も多く、近著に「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)がある。

【再発ヘルペス】“うつされた”と勘違いすることがある

公開日: 更新日:

 性器ヘルペスの原因である「単純ヘルペスウイルス(HSV)」は、「1型」と「2型」があり、1型は口唇ヘルペス(口の周りに水膨れができる)を引き起こすことが多く、2型は性器に症状が出ることが多い。症状が激しい場合は、性器に小さな水膨れが多数できて、痛みやかゆみ、発熱、脚の付け根のリンパ節の腫れと痛みの症状が表れ、「性器ヘルペス初感染」という。

 このHSVは厄介で、一度感染するとウイルスが消えることなく体内の神経節に潜伏して、再発を繰り返すのが特徴です。最初はセックスで感染しても、再発は性感染症ではなく、神経のウイルス感染症です。国内の2型の抗体保有率は全人口の45%で非常に多いのですが、それと比べて年間患者数は7万2000人とごくわずかです。

 再発の引き金になるのは過度なストレスなど免疫力が低下したときですが、セックスや月経などでも誘発されます。そのため初感染の記憶が曖昧だと、トラブルになるケースがあります。新しいパートナーとセックスした後に性器ヘルペスを発病した場合、本当は再発なのに相手にうつされたと勘違いして、2人の関係が悪化してしまうことがあるので注意してください。

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