古村比呂さんは抗がん剤22回…長期の静脈注射ではCVポートの検討も
こうした厄介なトラブルを回避するため、CVポートが利用されることが増えています。これは皮膚の下に埋め込んで薬剤を注入するための医療器具です。装置は、本体とカテーテルからなり、カテーテルの先端を目的の中心静脈に刺し入れ、カテーテルとともに本体を皮下に埋め込みます。本体が設置されるのは胸か上腕で、本体に専用の針で薬剤を投与する方法です。
埋め込みに軽い手術が必要ですが、設置後は1回で確実に薬剤を注入できます。通常の静脈注射のように何度も針を刺すことはなく、薬剤が漏れることもありません。静脈注射だと、腕の動きが制限されますが、CVポートなら投与中に腕を動かして本を読んだりできます。カテーテルの先端は太い静脈につながっているため、静脈炎のリスクを小さくできるのもメリットです。
装置を埋め込む手術が必要なほか、その手術時の感染などのリスクもゼロではありませんが、抗がん剤をはじめ長期に静脈注射を伴う治療が想定される場合は、CVポートの設置は検討してよいと思います。