筑波胃腸病院が導入した理由「地域のがん患者さんに希望と喜びを与えたい」
なぜ抗がん剤の増感作用が期待できるのか? 理由は2つ考えられる。1つはがん細胞を囲っている細胞膜の透過性が高まり、抗がん剤の取り込み量が増えてがん細胞内の抗がん剤濃度が高まること。もう1つは抗がん剤でダメージを受けたがん細胞の修復を温熱が阻害することだ。
「高齢者や体力が低下している人の中には、併用により抗がん剤の投与量を減らして長期にわたって病態を維持するケースが報告されています。副作用が少ない上、治療負担が軽く通院可能なこの治療法は、高齢化が進む私たち地域の、がん患者さんとその家族の希望と喜びにつながると考えています。当面は当院の患者さんを対象に治療し、将来的には他院からの紹介患者の受け入れも検討したい」 (つづく)