がん最新治療 「陽子線」はピンポイントの攻撃力が強み
6月から陽子線治療の保険適用の対象が拡大した。該当するがん患者にとっては、高額だった陽子線治療が保険適用で受けられることとなり福音だ。ただ、陽子線治療といってもピンとこないかもしれない。がんが縁遠い病気とは言えない現代、がん治療の選択肢として、その存在はぜひとも知っておくべきだ。中部国際医療センター陽子線がん治療センター施設長を務める不破信和医師に聞いた。
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放射線治療専門医である不破医師は愛知県がんセンター副院長を経て、2007年、民間初の陽子線治療施設として開設した南東北がん陽子線治療センター長に就任。兵庫県立粒子線医療センター院長(12年)、伊勢赤十字病院放射線治療科部長(15年)を歴任し、21年から現職に就く。
臨床試験や先進医療として行われていた陽子線治療が一部のがんで保険適用となったのが18年。それより前から陽子線治療に取り組んでいた不破医師は、まさに陽子線治療のスペシャリストと言える。
ここで読者の中には、「放射線」「陽子線」の言葉に戸惑った人もいるだろう。