著者のコラム一覧
下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

帰り道がわからない…認知症やその疑いがある行方不明者は2万人弱

公開日: 更新日:

 中でもこの「誤認」のように徘徊したり興奮して歩き回ったりする症状は、物忘れよりも家族をはじめ周囲の人を困らせることになり、より深刻だといえます。

 このような認知症患者さんにみられる症状全般を医学的にはBPSD(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)と呼び、日本語では「認知症の周辺症状」と訳されています。

 この症状の中には徘徊、攻撃的行動などの異常行動、うつ状態、不安、幻覚・妄想、睡眠障害など、さまざまな症状が含まれています。

 ただしこれらの症状は、術後や入退院といった環境変化などによって急性に発症するが、その原因が除去されれば改善する、という一過性の「せん妄」とは明らかに異なるものです。

 対策としては、まずお薬の調整などもありますが、それでも徘徊などによる失踪を防ぐために、最近ではテクノロジーを使った見守りサービスや、靴の中にGPSを装着する商品などもあります。


 冒頭の患者さんは50代の息子さんがおり、頻繁に交流していないものの、金銭的には支えるというスタンスだったため、徘徊後はすぐにショートステイに入居することができました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇