著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

梅宮アンナさんの告白が話題…乳がん検査でエビデンスあるもの、ないもの

公開日: 更新日:

 乳がんで右胸を全摘したタレントの梅宮アンナさん(52)が診断のいきさつやこれまでの気持ちの変化などについて文春オンラインに語った内容が話題を呼んでいます。その中には、がん専門医として注目したポイントがありますから、解説しましょう。

 1つは、診断がつく前に受けたドゥイブスサーチです。ドゥイブスは、全身のがんを一度に調べるMRI検査のこと。その乳がん専用タイプがドゥイブスサーチです。無痛や被ばくゼロ、造影剤不要などを売りに人気を集めています。確かにこの3つについては、その通りです。

 ネットにはドゥイブスサーチと従来のマンモグラフィーを比べて、乳がんの発見率はドゥイブスサーチが高いとする記述もありますが、現在、ドゥイブスサーチに乳がんの死亡率を下げるというエビデンスはありません。あるのはマンモグラフィーで、がん検診に採用されているのはそのためなのです。

 今回、梅宮さんはこの検査で「がんではなくて、(良性の)嚢胞です」と診断された後に、マンモグラフィー検査とエコー検査の結果が出て、乳がんの一種の浸潤性小葉がんでステージ3と判明したといいます。ドゥイブスサーチは慎重な読影が必要で、これだけに頼るのは心配です。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    相撲協会の逆鱗に触れた白鵬のメディア工作…イジメ黙認と隠蔽、変わらぬ傲慢ぶりの波紋と今後

  2. 2

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    《2025年に日本を出ます》…團十郎&占い師「突然ですが占ってもいいですか?」で"意味深トーク"の後味の悪さ

  5. 5

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  1. 6

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  2. 7

    結局《何をやってもキムタク》が功を奏した? 中居正広の騒動で最後に笑いそうな木村拓哉と工藤静香

  3. 8

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 9

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 10

    高校サッカーV前橋育英からJ入りゼロのなぜ? 英プレミアの三笘薫が優良モデルケース