血圧は「下」にも気を付けたい…90以上は治療対象
一般的に、収縮期血圧は加齢や生活習慣により血管の弾力性が失われて血液の流れが悪くなることが要因で上昇し、数値が高いと動脈硬化を促進し、心筋梗塞や脳卒中などの脳・心臓血管病のリスクをアップさせるといわれている。「上」を注意する人が大多数なのもそのためだろう。
一方、拡張期血圧は心臓から遠い末梢血管が硬くなって、血液が流れにくくなることで上昇する。
「下」の数値は当然「上」の数値ほど高くはならないうえ、「下」だけが高い場合は、末梢血管は動脈硬化が進んでいても、心臓から近い太い血管はまだ弾力性が保たれている状態といえるため、あまり気にしていない人が多い。
■生活習慣の改善が有効
「しかし、上の血圧は問題ない範囲でも下の血圧が高い人は、心臓に近い太い血管では動脈硬化がそこまで進んでいないものの、手足などの細い血管=末梢血管には動脈硬化が現れてきている可能性が高いと考えられます。特に肥満や糖尿病のある人はこのようなリスクが高い。血管の先端が詰まっているような状態といえるので、心臓が全身に血液を送り込む際は、それだけ大きな力=圧力が必要になり、心臓に負担がかかることになります。放置すればそれだけ心臓の疲弊は大きくなるのです。また、下の血圧が高い人は、ストレスがかかるなどして血圧が上昇したときに上の血圧が一気に急上昇しやすくなり、トラブルが起こるリスクがアップしてしまいます」