新型コロナで話題に…「嗅覚障害」を早期発見・治療すべき7つの理由
「嗅覚障害は、鼻の空気の通り道の異常によりにおいが嗅細胞まで届かない『気導性嗅覚障害』、においの化学物質を電気信号に変換する神経の異常による『嗅神経性嗅覚障害』、脳がにおいの電気信号を認識できない『中枢性嗅覚障害』に大別できます」
■生きる喜びを取り戻す
気導性の多くは副鼻腔炎によるもので、手術やステロイド投与などの治療がある。嗅神経性は漢方やトレーニング、リハビリにより回復するケースもあり、意識的に「においを嗅ぐ」行為により神経再生が促されたとの動物実験報告がある。中枢性は原因となる脳の疾患の治療を行い、嗅神経性と同様のリハビリなども行う。
「しかし、こうした治療の実態を知らずに発見が遅れ、治療のタイミングを逸してしまうことが多い。残念なことです」
最近はドイツの研究者の4種類のにおいを使った嗅覚トレーニングが着実に成果を上げ、日本では「嗅覚刺激療法」として多施設共同研究が進んでいるという。
病院で行う嗅覚検査には、「T&Tオルファクトメーター」と呼ばれる嗅覚検査キットがある。5種類のにおいを嗅ぎ、においを感じた時の濃度や何のにおいかを感じた時の濃度などを調べる。労災認定や基準嗅覚検査として使われている。