謎のラブホテル廃墟群とカンボジア寺院…神奈川県伊勢原市の知る人ぞ知る穴場スポットを訪ねる

公開日: 更新日:

カンボジア寺院に転用

 一方、廃虚群はただ放置されているわけでもないようだ。記者が訪れた時、ある廃虚では業者による解体作業が行われており、別の廃虚は東南アジア系の商社によって、倉庫として利用されている。

 また、小高い丘の上にあるラブホテルは、カンボジアの寺院に転用されているようだった。記者が取材に来た旨を伝えると、カンボジア人の男性と僧侶が快く迎えてくれた。

「日本にいる同胞のためにつくられた寺院で、年に2回行われるお祭りには、他県からも人が大勢集まってきます。カンボジア人しか入れないわけではなく、むしろ日本の方もウエルカムです」(寺院の男性)

 中を見せてもらうと、仏壇には金色に輝く立派な仏像が並べられ、記者も思わず手を合わせた。帰り際、案内してもらったお礼に1000円をお布施として渡すと、僧侶はニカッと笑ったかと思えば、急に神妙な面持ちに。お返しのつもりなのか、お経を唱え始めた。風がやんだ丘の上に鳴り響く異国の読経に、この地域の変化を実感させられるのだった。

(取材・文=橋本悠太/日刊ゲンダイ

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…