シニア食はここまで進化した!「料理の鉄人」が嚥下食を監修、飲みすぎや風邪にもピッタリ
フレンチの鉄人、坂井氏は冷凍「フレンチえんげ食」を手掛けた。嚥下食ながら、見た目はフレンチそのもの。普段の食事とは味わいがかなり違いそうだ。「サーモンとホタテのムース 白ワインのエシャロットソース」「国産合挽き肉と豆腐のハンバーグ シノワ風デミソース」……名前を聞いただけでクリスマスの特別メニューのようだ。
坂井氏は今年9月に高齢者施設で試食会を実施。「豚肩ロースのロースト 蜂蜜のノルマンディソース」など3品を堪能してもらった。参加者の女性は、料理を口にした途端にパッと顔を輝かせ、涙ぐみながら「ありがたい」と口にした。
「食べてらっしゃる人たちの顔を見ていると、うれしくなるよね。これからも、いろいろと提案していきたいと思います」(坂井氏)
アサヒグループ食品が2023年に実施した「介護食利用者の意識」調査によると、「自宅には、レトルトやインスタント食品の買い置きがある」と回答した人は19年比で10.1ポイント増加し、67.0%に上った。一方、「食事はできるだけ手作りのほうがよい」は19年比で8.2ポイント減り53.9%。レトルト食品や冷凍食品をはじめ、外部サービスを上手に利用したいという意識は高まっているようだ。