ドムドムフードサービス 藤崎忍社長<2>SHIBUYA109で雇われ店長、売り上げを2倍にした
「55歳という若さで自分の人生を諦めなければならないような状態でしたから、見ていられませんでした」
そのとき、藤崎が一番思ったのは、「優しい人になりたい」ということだった。夫のつらい思いを受け止めるのは、妻である自分しかいない。
さらに翌年にはオーナーが方針を変えたことによって、109を辞めざるを得なくなった。
皮肉にも売り上げが倍増したことでオーナーが事業承継者を変更し、藤崎ははじき出される格好になってしまう。
「夫の脳梗塞と自分の失職が重なり、いま振り返ってみても、人生の中で一番つらい時期でした」=つづく
(ジャーナリスト・林美保子)