ドムドムフードサービス 藤崎忍社長<2>SHIBUYA109で雇われ店長、売り上げを2倍にした
シフト表も知らなかった藤崎ではあったが、自分で線を引いて表を作成し、時間帯ごとに必要人員を割り出した。
そして、2カ月後には勤務態度の思わしくない4人が退職し、残ったのは、日本人1人、中国人1人、韓国人3人だった。
「国籍は関係なく、ちゃんと仕事をしてくれる人を選んだ結果でした。やる気のある人も、やる気のない人に引きずられてしまう面があるので、人員を整えただけでも販売力がグンとつきました」
こうした藤崎の手腕によって、5年で売り上げ倍増という結果をもたらす。
仕事にやりがいを見いだした藤崎は、夫に寄り添うだけの人生を卒業して、「これからは仕事にも向き合う人生を歩もう」と決めたのだった。
その頃には夫も徐々に回復し、2009年7月の都議選に向けて再起を図ろうとしていた。
ところが、またしても試練が訪れる。
5月末、夫が今度は脳梗塞を発症したのだ。左半身まひで歩行困難、言語障害の症状も出た。政治家の道が断たれた夫のショックは、計り知れないものがあった。