キャディ 加藤勇志郎社長(1)部品調達の仕組みを一新させた町工場の救世主
外国人は、日本のメガバンクも総合商社も知らない。ソフトバンクさえあまり知られていないという。
しかし、日立やパナソニック、トヨタ、ホンダは誰もが知っている。
「日本は製造業の国」という認識が圧倒的にあることに、加藤は気づいた。
「グローバルでは高く評価されている割には、日本人はそのことにあまり気づいていない」
加藤は創業する1年前から世界最大級のコンサルティング会社「マッキンゼー・アンド・カンパニー」の社員として激務をこなしながらも、週末など時間を見つけては町工場を訪ねて現場の意見を聞いて回った。
廃業を考えている工場もいくつかあった。
「20~30年前は大手電機メーカーの下請けで、当時は30人くらいで部品を作っていた。ところが、中国などの海外に生産拠点が移り、取引がどんどんなくなっていった。社員も減り、ついに最後の1人になってしまった。あと数年で工場を閉める予定だ」という話も聞いた。