著者のコラム一覧
有森隆経済ジャーナリスト

早稲田大学文学部卒。30年間全国紙で経済記者を務めた。経済・産業界での豊富な人脈を生かし、経済事件などをテーマに精力的な取材・執筆活動を続けている。著書は「企業舎弟闇の抗争」(講談社+α文庫)、「ネットバブル」「日本企業モラルハザード史」(以上、文春新書)、「住友銀行暗黒史」「日産独裁経営と権力抗争の末路」(以上、さくら舎)、「プロ経営者の時代」(千倉書房)など多数。

富士通(上)時田隆仁社長が公の場で謝罪…イギリス史上最大規模の冤罪事件の元凶

公開日: 更新日:

 英国の郵便局に、コンピューター企業ICLが開発したシステムが99年に導入された。会計ソフト「ホライゾン」である。

 ICLは1990年に富士通の子会社となり、2002年に現社名となった。

 このシステムの欠陥で残高が一致しないケースが続発。

 英メディアによると、15年までに郵便局長ら700人以上が横領罪で起訴され、刑務所に収監されたのは236人。自殺者は少なくとも4人に上るという。

 19年、元郵便局長ら555人が起こした集団訴訟でシステムの欠陥が認定され、無罪判決が相次いだため「英国最大の冤罪」、大スキャンダルとなった。

 リシ・スナク英首相は1月10日、「被害者が賠償を受けられる新法を制定する」と表明。「被害者1人あたり7万5000ポンド(約1400万円)の補償金を支払う」方針を示した。

 財源についてホリンレーク郵政担当相は「富士通の責任が明確になれば、富士通に負担させる」との見通しを明らかにした。

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