自民の「政治資金規正法」改正案はデタラメ、公明は譲歩する気なし…岸田首相が立ち往生の惨め
■衆院解散か、自滅退陣か…
一方、公明党に譲歩する気配はない。山口那津男代表は8日も「透明性をどう高めていくかが焦点」と言い、公明幹部は「自公が同じ方向を向いているかどうか分からない」と不満を漏らしている。
「公明党は世論の猛批判を浴びる自民党の道連れは避けたいのだろう。選挙を考えたら法改正はできるだけ厳しい案にしたい。最終的に総理は公明党案を丸のみするつもりじゃないか」(官邸関係者)
自公で合意できたとしても、その先の与野党協議は視界不良だ。政治資金パーティー禁止や企業・団体のパー券購入禁止を主張する野党案との距離がありすぎる。与党案にない企業・団体献金の禁止でも、野党は一致している。
来月23日の国会会期末まで1カ月半。会期内に規正法改正を成立させられるのか。野党案への譲歩は、厳しい改正を求める公明党はのめるとしても、自民党内は紛糾必至。岸田は立ち往生することになる。
岸田は会期末解散・総選挙を視野に入れている。しかし、規正法改正がまとまらなければ会期延長を余儀なくされる。ただでさえ党内にソッポを向かれている岸田の求心力はさらに低下する。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。
「岸田首相は相変わらずの『やってる感』。世論を見て対応を変えるので、サプライズで野党に寄って、維新に救いの手を求める可能性もある」
衆院解散か、自滅退陣か──。規正法改正の行方に岸田の命運がかかる。