経団連の会長人事(上)後継レースは「ソニー吉田憲一郎会長」を軸に置くという説
日立の東原氏は財界活動に熱心。任期満了を待たずに亡くなった中西前会長の衣鉢を継ぐという話になれば、経団連にとっても日立にとっても悪い話ではない。ただ、日立出身の会長が短期間のうちに続けば、「十倉さんは他社から激しい突き上げを食らう。中西さんの後継という以外に東原さんに“切り札”がないのが弱いところだ」(経団連関係者)。
十倉さんは大勢に順応するタイプといわれている。流れを見て、それから札を入れても遅くないと考えているのかもしれない。誤解があるといけないので書いておくが、「その一方で、筋は通す頑固な一面もある」(前出の経団連関係者)。
今年、副会長になったソニーの吉田会長は「十倉さんが副会長になってもらいたいと特に口説いたスペシャルカードだ」(十倉氏に近い経団連幹部)。吉田副会長に経団連の企業行動・SDGs委員会の委員長を任せたことでも、期待の度合いは分かろうというものだ。このテーマは十倉氏が重視しているものだ。
「会長レースは吉田氏を中心に動くだろう」と予想する財界人が増えている。