入江工研 入江則裕代表(1)高い技術力、部品は宇宙探査機にも使われ水星に到達

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 このように、特殊な環境下でも壊れない強度を実現させているのが、同社の溶接技術だ。

「0.3ミリという髪の毛ぐらいの厚さの板同士を溶接できます。そうでなければ、これだけの耐久性は得られません。設計技術と、溶接する技術が非常に高いのです」

 そうした技術力を背景に、入江工研の業績は右肩上がりだ。直近3年間の売り上げを見ても、21年度34億円、22年度39億円、23年度44億円と、確実に成長している。

 そんな入江工研が金属ベローズを作り始めたのは、昭和の時代に遡る。

「当初は高速鉄道の部品としてでした。真空ではなく、液体の熱膨張による体積の変動を調整するためのベローズです」

 入江工研を設立したのは、入江社長の父、入江則公だ。則公は旧国鉄(現JR)の鉄道車両設計の主任技師で、「新幹線の生みの親」と呼ばれる島秀雄氏の下で新幹線のプロジェクトに携わった。戦時中、大学の工学部に所属していた則公は、理系の学生は学徒動員が免除されるという制度に救われ、戦地送りを逃れた。卒業後は、交流電気機関車、新幹線の開発に携わり、46歳の時に国鉄を退職。入江工研を設立した。

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