柴田大知騎手が語った ドン底からGIジョッキーへの軌跡
丸2年も勝ち星のないドン底から、GIジョッキーへ。成績が下がり続けると早めに引退する騎手が多い中で、柴田大知は見事に這い上がった。13年はマイネルホウオウでGINHKマイルCを制覇して「忘れられない年」に。今回、あらためて競馬に乗れなかった過去、そしてこの一年を振り返ってもらった。
――13年は忘れられない年になったのでは。
「そうですね。これまでで最高の勝ち星を挙げられましたし、マイネルホウオウで初めて平地のGIを勝つことができました。充実した一年でしたね」
――06、07年と2年連続で勝ち星がありませんでした。
「それを考えたら信じられない話ですよね。今だから言えますが、当時は週末、トレセンで攻め馬ばかり。テンションが下がりまくってましたよ(苦笑い)」
――騎手を辞めることは考えませんでしたか。
「しょっちゅう考えてました。ほら、06年なんて乗ったのが52鞍でしょ。収入面で不安がありましたし、安定している調教助手に転向することも頭にはありました。辞めるのは簡単なんですよ。でも、絶対に後悔すると思って。だから、できることは何でもやろう、もがいてやろうと決めました」